Questfield-Lab.

徒然なるままに。

デスクライトもLEDに。でも、なんでLED電球は非常用照明器具には使えないの?

約10年間使っていたデスクライト(兼読書灯)の白熱電球が、ついに切れた。切れ際に一瞬だけポッとひと際明るく照らし出していたが、その後スイッチを切って入れなおしてみても、点くことはなかった。電球を取り外して光に透かして見ると、フィラメントが断絶していることがわかった。一瞬だけポッと明るくなったのは、その切れた瞬間だろう。

時世の流れでLED電球に交換することにした。前の電球が60Wだったので、迷わず60W「相当」と書かれているものを購入したが、メーカーによって全光束が違ったりするのね。私が買ったのは、720lm(ルーメン)のものだが、メーカーや機種(?)によっていくらかのバラツキはある。

まぁ、ある種のスペック厨な部分もあるので、ルーメン数の高いものを選んできたわけですが、こんな注意書きが目についた。

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確か電球型蛍光灯にも同じような注意書きが書かれていたと思うが、記憶が定かではない。

調光機能の付いた器具に取り付けるのであれば、調光機能対応タイプを買う必要がある。うん、わかる。

直流電源が使われているならば、直流電源用を買えばいい。これもわかる。

水銀灯器具の代替で使うならば、HID代替LED電球にするしかない。まぁ、そういうものなのか。

誘導灯・非常用照明器具には使えない。なんで?。

 

実は、建築基準法で使用できる誘導灯・非常用照明機器の光源は、基本的に白熱灯と蛍光灯と決められているから。

 

もう官報はっきし書いてあるもんね。仕方ないね。

非常照明・非常用照明の設置基準と計画 | 建築基準法に規定された必要照度と配置方法から引用すると、

  • 照明器具は、耐熱性及び即時点灯性を有する「白熱灯」「蛍光灯」とする
  • 白熱灯のソケット材料はセラミックス、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂に限る
  • 蛍光灯は即時点灯回路に接続していないスターター型蛍光ランプを除く
  • 蛍光灯のソケット材料はフェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、メラミン樹脂、メラミンフェノール樹脂に限る

と、「白熱灯と蛍光灯以外認めん!」とばかりにLEDどころか水銀灯までもバッサリ切り捨ててます。

 

ただし、平成26年10月にパナソニック社が「国土交通大臣認定制度」を活用し、LED光源による非常用照明を発表しました。

 業界初のLED非常用照明器具を発売 | プレスリリース | Panasonic Newsroom Japan

  …さっきの官報は何だったんや! とプレスリリースを読んでいくと、建築基準法施行令に行きつく。

建築基準法施行令 第126条の5によると、

第百二十六条の五  前条の非常用の照明装置は、次の各号のいずれかに定める構造としなければならない。
 一  次に定める構造とすること。
  イ 照明は、直接照明とし、床面において一ルクス以上の照度を確保することができるものとすること。
  ロ 照明器具の構造は、火災時において温度が上昇した場合であつても著しく光度が低下しないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとすること。
  ハ 予備電源を設けること。
  ニ イからハまでに定めるもののほか、非常の場合の照明を確保するために必要があるものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとすること。
 二  火災時において、停電した場合に自動的に点灯し、かつ、避難するまでの間に、当該建築物の室内の温度が上昇した場合にあつても床面において一ルクス以上の照度を確保することができるものとして、国土交通大臣の認定を受けたものとすること。

この第百二十六条の五の二の条件を満たしているということを国土交通大臣が認定したから、LED非常用照明器具が販売されるようになった。

逆に認定しない(されない)と、非常用照明器具として使えませんよ、というわけか。

そのため、日本照明工業会Q&A

Q2 防災照明器具に、適合ランプ以外を使用できますか。

誘導灯・非常用照明器具などの防災照明器具は、表示している適合ランプ以外はご使用できません。
防災照明器具は関連法規類に基づき、適合ランプとの組み合わせで設計・製造・評価しております。
万一、適合ランプ以外のランプをご使用の場合は、保証の対象外であるとともに、内蔵蓄電池の短寿命や内蔵ユニットなどの故障の発生、また長期間使用において法規要求性能が損なわれる恐れがあります。
尚、適合ランプは器具銘板または内蔵ユニットに表示しております。

(注:傍線は私が引いた)

つまり、何が起きても保証も何もしないし、何かあったときに法に定められている性能が出ないですよ、というわけ。…なのかな。

 

だから、市販品の普通のLED電球は、非常用照明器具には使えませんよと。なので、注意書きとしてパッケージにバッテンが付いている。

 

ちなみに、誘導灯器具、非常灯器具の交換には、電気工事士と消防設備士の資格がいるが、その中のバッテリーやランプ交換には、特に資格はいらないそうだ。

www.denchiya.net

 まぁ、現状非常用照明器具は我が家にはないので縁のない話ではありますが、箱の注意書きにはこうした理由がありますよ、というのがわかりました。

…のはいいけど、そこに行きつくまでどんだけ回り道をしたのやら。